2008年5月18日日曜日

Fedora 9 で四苦八苦 環境構築編 grub

 「Fedora8で四苦八苦」シリーズをベースにして「Fedora9で四苦八苦」シリーズでFedora9の設定ネタを記載していきます。
 この記事もFedora9のKDEからMozillaとSCIMとAnthyを使用して記載しています。
 Fedora9のインストール直後ではKDEは日本語化されておらず、Gnomeも辛うじて日本語メニューとなっていますが、SCIMとAnthyがインストールされていないので日本語入力が出来ないものとなっているようです。この辺りは後述していく予定です。
 さて、今回はブートしてスグに世話になるgrubです。
 Linuxのブートローダーとしては古くはliloが私用されていましたが、5年程前のパッケージからは多くがgrubに移行しており、Fedora9もgrubを使用しています。

 インストールDVDからインストールメニューが表示されますが、これもgrubと思います。
 前回の記事で記載しましたが、CD-ROMやDVD-ROMドライブがインストールプログラムから認識されない時は、このインストールメニューが表示された時点でブートオプションを変更しておく必要があります。
 インストールDVDをDVD-ROMに挿入し、ブータブルDVD機能で挿入したDVDから起動させます。
 そうすると、"Welcome to Fedora 9"という見出しのインストールメニューが表示されます。
 そのメニューで一番上の"Install or upgrade an existing system"という所にカーソルがあることを確認し、Tabキーを押します。
 すると、罫線の枠下の方に"> vmlinuz initrd=initrd.img"と表示されます。今回はそこを修正します。
 ">vmlinuz initrd=initrd.img hdc=ide-scsi hdd=ide-scsi"
 修正したらリターンキーを押せば、カーネルを読み込みにいきます。

 あとはインストール設定ですので適当に選択していってください。
 インストール後に1度再起動し、初期設定が行われるので、この時点では何も修正しない方が得策です。下手に修正してシステム設定が可笑しくなることを回避するためです。

 そのシステム設定が終了したら一度再起動させ、本来のFedora9を起動させます。
 通常はランレベル5…すなわちX環境で起動します。

 ここまで来れば、Gnomeのgeditorなり、KDEのkwriteなり、コンソールのviなりのテキストエディターで編集できる環境にありますので、grub.confをカスタマイズしてしまいます。

 Fedora9のgrubは英語環境…つまり英語キーボードを想定して定義されており、日本語キーボード(JP106/JP109/JP112)は考慮 されていません。このため、"="を入力してやるのに"Shift"+"-"キーでは入力できません。これはキーコードの問題であるため、JP106向け にgrubをカスタマイズしてやる必要があります。
 また、私の場合はsplash画面を最初から表示させたいし、Windowsとの共有ブートでWindowsを優先させたいし一番上に表示させたい、選 択するまでの時間もデフォルトの5秒では短いのでチョイ長めの15秒にしたいこともあり、grub.confをカスタマイズしています。
 Fedora9のgrub.confの位置は"/boot/grub/"ディレクトリに保存されていますので、そのファイルをカスタマイズします。
 カスタマイズ後のgrub.confファイルをアップしておきますので参考にしてくさい。ただし、本ファイル中にあるpasswordとUUIDの所はセキュリティ対策としてキーボード適当打ちで修正しています。
   sampleファイル
 なお、WindowsはWindows XP SP3ですのでVistaで有効かどうかは不明ですが、chainloaderで呼び出しているので恐らく通ると思います。
 余談ですが、Windows XP以前とWindows Vistaとではブートローダーが異なっているようです。製品版Vistaを購入していませんのでBetaテスト時の状況になりますが、Vistaでは BCDとかいう変なブートローダーになっており、カスタマイズで泣きが入った記憶があります。BCDはコマンドベースでカスタマイズしていくと思います が、ひたすらコマンド入力しながら修正するものと思います。

 さて本題のgrubに戻りますが、grubは起動すると/boot/grub/grub.confファイルを読みにいきます。
 よってgrub.confにエントリー…つまりtitleで表現されている項目を選択してブートできるようになっています。
 マルチブートローダーとしても使用できますので高い某社の製品を購入しなくとも間に合うと思います。
 またgrubのヘルプはinfoシステムで供給されており、"info grub"とすることで表示できます。
 それと、わかりにくい所ではgrubのデバイスナンバーにあります。
 これを理解できれば、grub.confにエントリーしていないもの…例えばFDやCD、DVDからも起動できるようです。
 BIOSで最優先ブートデバイスをHDDになっている方には重宝する機能と思いますが、私はFD/CD/HDDの順番でBIOSを設定しているので詳しい使用方法を覚えていません。